雪国の車の大敵!【錆】

みなさんは車の下回りを気にされていますでしょうか?

今回は雪国独特の錆にまつわる記事になります。

 中古車業界では中古車の仕入れ時、エンジン等の機関の状態(オイル漏れや異音等)に加えて【下回りの状態】が非常に重要なチェック項目になっています。外装のキズ・へこみは鈑金修理出来ても錆が発生した車はそれを完全に除去することが出来ず、さらに時間が経てば錆が進行してしまうからです。実際に中古車関連業者が利用するオートオークションの最大手グループのオークション会場でも数年前からオークション出品画像の中に下回りを撮影した画像を表示するようになりました。

中でも雪国(降雪地帯)で使用されていた車は錆が出ていることが多く、錆が酷い場合はその【車の評価が下がる】ことで売買される際の価格にも影響が出てしまいます。雪の降らない地方の中古車販売店では「雪国の車はサビてるから仕入れたくない」などと言っておられますし、逆に雪国の中古車販売店では「関東・関西(雪の降らない地域)から仕入れました!」と錆びていない車だとアピールして販売する場合が見受けられます。

 車の錆に関しては冬場の雪による水分というよりも、路面の凍結を防ぐ【融雪剤】が大きく影響しています。【融雪剤】には塩化ナトリウムや塩化カルシウムといった成分が含まれており、それらは金属に付着することで錆・腐食を発生させてしまう、車や建物にとって非常なやっかいな存在です。降雪地帯では冬場になると特殊車両が走行しながらバラバラと白い粒上の融雪剤を撒く光景が見られます。

特に融雪剤の影響を受けやすいのが軽自動車で、車体を構成するパーツの重量に制限がある為鉄板が薄く、錆や腐食が進行しやすく、最終的に穴が開くといった深刻な事態に発展する可能性が有ります。部位にもよりますが【下回りに穴の開いた車両】は基本的に車検に合格しません。これにより、車検のつもりが乗り換えになってしまったといった事例を数多く見てきました。また錆は故障・不調の原因にもなりますのでしっかりケアしてあげたいところです。

 では錆を防ぐにはどうしたら良いかという事になりますが基本的には【防錆塗装】と【下回り洗浄】くらいしか方法は無いように思います。

 防錆塗装については、おそらく雪国のディーラーや販売店で新車購入時に必ず勧められると思います。店舗によって名称は違うかと思いますが【ノックスドール】【スリーラスター】【エンドックス】などの施工が見積り書の中に入っているのではないでしょうか。成分や効果に若干の違いはあるかもしれませんがどれも高性能の塗装です。料金はそれなりに掛かりますがこれらの防錆塗装を乗り出し前に施工しておくことで、その後の錆の発生を最小限に抑えてくれるはずです。実際に軽トラックなどは最初から防錆に特化した特別仕様車などが用意されている場合も有りますので購入を検討する際は店舗で確認する事をお勧めします。

なお自身の経験上、軽自動車でこれらの防錆塗装を施工した車両と、何も施工せずノーガードで乗り続けた車両とでは、たった2年経過した段階での状態にかなり差が出てくると記憶しています。

また、料金が高い塗装はその分耐久性も高く簡単に剥がれることは無い為、車検の度に補修塗装を行うことでより長く状態を維持出来るメリットもあります。ここでポイントとなるのは錆が発生する前に強力な【防錆塗装】を行うというところで、すでに錆が発生しているという場合その効果が弱くなります。

 【下回り洗浄】については、家のホースで水を掛けてもなかなか落としきれるものではありません。機械と技術で隅々まで洗浄してくれる業者さんを利用したいところです。一部のガソリンスタンドでは冬場になると積極的に【下回り洗車】をおすすめしているようですのでそういった施設を利用すると良いでしょう。

 以上、雪国の方はスタッドレスタイヤなどの用意も大変ですが、気に入った車に長く乗り続ける為にも、乗り換えの際に高く売る為にも下回りのケアに気を使って車を大事にしてほしいと思います。

 最後に一つだけ注意しておきたいのですが、ディーラーや一般整備工場で車検の際に勧められる下回りの塗装には注意が必要です。これについては別記事で紹介することにしますのでそちらをご覧下さい。

 

 

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