直帰時の奇行

査定車両:ホンダ オデッセイ

2017年夏

 昆虫採集にはまり【黒いダイヤ】と言われる【オオクワガタ】を追い求めていたころの奇行話。

18時予約で山間部へ出張査定

車は車検が切れてしばらく乗っていない為タイヤの空気が抜けてしまったオデッセイ。

依頼主は若いお母様。車は処分したいという希望で買取契約をし後日引き取り業者を手配することに。なんだかんだで時刻は19時を過ぎ。山間部は平地よりも日が隠れるのが早い為あたりはすでに暗くなろうとしている。

帰り際の依頼主との会話

私「あの、査定と全然関係無いんですけどこの近くの○○ダムって行ったことありますか?」

依頼主「手前が広い公園みたいになってるので子供を連れていったことありますよ。どうしたんですか?」

私「私昆虫採集が趣味であちこちのダムに行ってるんですけど、この近くの○○ダムはまだ行ったことがなくて帰りに寄ろうと思ってるんですよ」

依頼主「え~~、あそこおばけ出るって言われてますよ~。水〇体上がったこともありますし」

私「え、ほんとですか?」

依頼主「ほんとですよ。夜はやめた方いいですよ」

私「それは怖いですね、やめときます。ありがとうございました。」

と、ここでお礼を述べて依頼主宅を後にし会社には直帰の報告をする。

そして、せっかくの機会をあきらめきれない私はダムに向かう事にするであった。夏場のダムは夜になると電灯が灯りその光に様々な昆虫が集まるので格好の虫取りスポットなのである。※ダムによっては真っ暗なダムもあるので注意。

 近くと言っても山道を30分程登りようやくダムの手前の公園が見えてくる。山道に覆いかぶさった木にフクロウのような鳥が留まっていた。珍しい鳥を見て期待に胸が高鳴る。

時刻は20時。公園を通りすぎいよいよダムへ到着。電灯は点いている。

オレンジ色の灯りのまわりを小さな虫が飛びかっているのを見ながら駐車スペースに車を停めて持ってきたプラケースと査定用のペンライトを手に車を降りる。標高の高さと水辺という環境環境からか空気は少し涼しく感じる。

この時すでにおばけの事はすっかり頭になかった。クワガタ>おばけである。

あたりは静まり返り時折鳥なのか動物なのかわからない声がするのみ。甲虫類が地面に落ちる「コチッ」「ポトッ」という音を聞き逃さないよう耳を澄ませる。この非日常感がたまらない。

しばらくダムの上部を歩き回るも見つかるのはカメムシと蛾。たまにカナブンをカブトムシのメスかと勘違いするくらいで肝心のクワガタの収穫はゼロ。

ダムでの昆虫採集は数本の電灯の間を何度も往復しちょうど良く飛んできた昆虫を捕まえるのだがこのダムはどうも虫の気配が弱い気がした。周囲の環境などによってダムごとの実績は異なるがこればかりは行ってみないとわからない。これはこれで採取場所データが増えるので良しとする。

いよいよ23時を過ぎた為あきらめて帰ることに。これでこのお話は終了。

夜、山の中のダムにたった一人でいるのは初めのうちはとても怖い。だが満天の星空のもと日常を忘れられるすばらしい空間である。※なおこの記事を真似して熊に遭遇したり事故に遭ったと言われても責任は取れませんのであしからず。

 

 

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