修復歴【起こし車】について

ここでは、事故車を修理した【起こし車】についての解説を行ってみます。

事故修復歴が有る車は絶対に良くないという事ではなく、【修復歴が有ってその箇所は現在どうなっているか】が非常に重要になってきます。

 一般的に交通事故を起こして・もしくは起こされてしまった場合、基本的に加入している自動車保険を利用することになると思いますが、中にはいろいろな理由で修理をあきらめて車を手放すというケースがあります。

あえてそのような事故車を仕入れて修理することを、中古車業界では【起こす】【起こし車】などと呼び、自動車の鈑金修理を生業にしている業者の中にはそれらを得意にしている業者が存在します。

※中古車の修復歴については別の記事で解説しますのでここでは割愛します。

 事故車の修理と言っても自動車保険での修理と今回解説する【起こし】修理ではかける費用と手間が著しく違ってきます。まず自動車保険での修理では保険会社が修理費用を負担(場合によっては上限等あり)するので鈑金屋さんは新品の部品を使い、難しい作業をしてもその分は保険会社から支払われるのでしっかり修理しますが、あえて仕入れてきた事故車を販売目的で修理する場合、なるべく費用を抑えるため部品は中古を使用し、作業も省けるところは省くといった具合にパッと見優先で仕上げることがあります。

具体的な例として

□骨格部位のダメージに対し、保険修理の場合は機械を使って修正するのに対しパテを盛って上から塗装を吹き付けるのみで仕上げる。

□追突されてトランクフロアにゆがみが生じた車のリアバンパーだけ交換する。こちらも保険修理ではゆがみの生じた部分を修正もしくは交換するのが普通。

などが挙げられるますが、いずれも外から見るだけではわからない部分です。中古車販売における修復歴の有無の表記は必須ですが、その修復歴に該当する箇所の状態は修理されていなくても車としての性能に問題は無い場合は特に問題にならない為、修復歴有りの車の購入を検討する際には修復歴の有る箇所と現在の状態をしっかりと状態を確認する必要が有ります。

 なぜこのような記事を書くかというと、修復歴が有る車両は中古車としての価値が下がり価格が安くなるのは間違いないことですが、実際に事故車をしっかり修理した場合、事故のダメージによってはその原価が販売相場よりも高くなってしまうことが有るからです。その為中古車販売店の中には自社で鈑金工場を運営し事故車を集めて安く修理・安く販売するといった手法【起こす】を行っているお店が存在します。そして雑な修理の車は後々問題が発生する可能性が高く、購入後の不安を感じますのでいくら安くても購入は控えたほうが無難のように思います。

なおこのような販売店を見極めるのは難しいですが、そのお店の在庫一覧を確認してほとんどの在庫車が修復歴有りの車両であったり、お店の敷地内にナンバープレートの付いていない事故車が複数台有るなどの場合は注意が必要です。※オートオークションに出品される事故車は基本的にナンバープレートが付いていない抹消済み車である為事故車を仕入れている可能性が有る

 もし現在修復歴が有る車の購入を検討しているのであれば、販売店のスタッフにその場所と現在の状態を説明してもらうのはもちろん、どのように修理されているか、購入後の保証内容・期間についてもしっかり確認をし、納得したうえで購入することを心掛けて下さい。

なお中古車検索サイトの【カーセンサー】や【GOO】では、修復歴有りの車両でも鑑定書なる状態を示す資料が用意されている場合もあります。こういった資料は中古車を鑑定する専門業者によるものになっていますのでしっかり確認してみると良いでしょう。

 以上、事故修復歴有りの車は修復歴の部位だけでなく、その修理内容にも気を付けなくてはいけないというお話でした。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました