査定車両:トヨタ プレミオ
2019年春
インターネットの一括査定サイトから出張査定依頼を受ける。
行き先は基本住所を聞いて向かうので到着した際【お寺】だったことに若干驚く。
そこは由緒正しき曹洞宗の寺院で依頼主であるご住職は私服であったが頭はつるピカ。
和尚様もネットを使うんだな~などと思いながら挨拶を済ませ査定を開始する。
敷地内に停められた【プレミオ】を査定しているうちに横のほうから
「ブ~~ン」
という羽音が聞こえるのでそちらに目をやる。
そこにはなんともかわいらしいフォルムのクマバチが飛んでいた。車の脇にはきれいな花が咲いているので蜜を集めに来たのだろうか。とりあえず危険なハチではないし御仏のもとで生き物に危害を加えるのも何だったので無視して査定を進める。
結果はさすがの【お寺】様、車は非常にきれいな状態であった為高評価をして会社に報告。買取価格はとても良い条件であった。
査定結果を伝えにお寺脇の住居玄関へ向かい呼び出しチャイムを鳴らすと依頼主の奥様らしき方が対応してくれ居間へと通される。そこで待っていたご住職に促され座布団に座る私。当然ご住職も私も正座である。査定中のクマバチの話からお寺の歴史など終始和やかなムードで話が進みいざ買取条件を伝えると事前に受けていた他社の条件を上回っているとのことでそのまま買取契約を交わす。続けて必要書類の説明や引き取り日程の確認などを行いお礼を伝えるとご住職は合掌で返してくれた。
さて、それではと立ち上がろうとした瞬間、足に力が入らず畳に突っ伏してしまう私。長時間正座していた為足がこれ以上ない程しびれてしまっていた。ご住職に心配されたがこんなことで動けないのが恥ずかしくなり
私「ちょっとバランスを崩しまして」
と苦しい言い訳をする。
立ち上がって玄関を目指すも足をつく度に走る「ジュワ~ン」という刺激に悶絶しながらおかしな歩き方で玄関にたどり着き靴を履く。靴に触れた足に再び刺激を受けるがゴールはもうすぐだ。歯を食いしばりご住職に再び挨拶をして車に乗り込んだ。
運転席に座った瞬間、膝から下に血が巡るのを感じて安堵する。急いで車を発進させ【お寺】を後にし最初に見えたコンビニに滑り込む。停車後すかさず助手席にうつりシートを目いっぱい後ろにスライド。ようやく足を伸ばして解放してあげることが出来た。その後10分程身動きが取れなかったのは言うまでもない。
慣れない正座では無理をしないようにというお話。


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