査定車両:ホンダ アクティトラック/スズキ キャリィトラック

2013年夏

依頼主「使ってない軽トラが2台あるんですが買取り出来ますか?」

との依頼を受けてご自宅へ。

夕方、山裾の農村地帯に到着したが自宅前に軽トラは見当たらない。

依頼主「前に農作業で使っていたの畑わきの倉庫にあるんですよ」

とのことで倉庫の場所を聞き依頼者宅から少し離れた畑に移動。

そこには年季の入ったビニールハウス。農家さんの中には使用していないビニールハウスを農機具や車の倉庫として使用する方もいるので特に気にもしなかったがなにか違和感を感じた。

基本的にビニールハウスは透明なビニールが使用され中身が見えるものだが今回に限ってはハウスがどうにも黒っぽく中の様子がわからない・・・ 

年季が入りすぎていて苔?カビ?的なものが一面に付着して中がほとんど見えないのだ。中に入ると夕方だったのも相まってとにかく暗い。幸い査定員七つ道具としてペンライトを持ち歩いていたので早速捜索。すぐに2台の軽トラを確認出来たがこれまた年季が入りまくっていた。

手動の窓は開けっ放し、さらに定位置に差しっぱなしのキーを回すも何も反応無し、バッテリー上がりである。本来エンジンをかけられない場合はどうにかエンジンをかけたうえで状態をチェックするのだが車検証で年式を確認したところかなり年数が経過しておりその場で査定額算出の担当に電話し確認、車種および年式データでもはやお小遣い程度の金額にしかならないとの答えが出たので必要な情報のみをさっさと記録する。ようやっと2台目の車検証情報を記録し終えようかというとき体に異変が起こる。

「ん・・・」

「かゆい・・・」

「かゆい!!!」

どうやら記録するため集中している隙を蚊に狙われたようで首に2か所、腕に3か所(右手肘周辺)、左手の小指(第二関節あたり)に1か所小さな盛り上がりが出来ていた。薄暗く湿度の高いビニールハウスは蚊の巣窟になっていたことにここで初めて気づく。子孫を残すため必死な蚊にとって車に座ってほとんど動かない私は格好の栄養源になってしまっていたのであった。首、肘周辺、小指と人間の死角を狙い気付かれず血を吸った挙句かゆみ成分を注入する彼らの恐ろしさを目の当たりにした私は転がるようにビニールハウスを抜け出したのであった。社用車に戻りどんどんかゆく腫れあがってゆく患部にとりあえず爪でバツをつけ依頼主宅へ。

私「どちらも○○円で買い取りになります」

と伝えた時の依頼者の顔には明らかな失望が見て取れたがこれ以上の金額で買取は出来ない上もはやかゆみに耐えられないので

「ご検討下さい、また明日にでも連絡させていただきます」

と依頼者宅を後に。帰りの運転中に右わき腹がぶっくりと腫れあがっているのを見つけさらに落ち込む。

毎年蚊には刺されるがこれほど集中砲火を浴びた経験は無く車内で

「ぬぅおおおおおおおおおお~!!!」

「かぁあいいいいいいいい!!!」

と絶叫。

自身の子供の外出時には虫よけスプレーを吹きかけていたことに気づいた私でした。もっと自分を大切にしてあげたら良かった。ちなみに一番つらかったのは左手の小指です。

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