債券回収担当

査定車両:トヨタ エスティマ

2014年春

会社に査定依頼のお電話

依頼主「息子の車を処分したいんだけど」

当時手が空いていたので早速ご自宅へ

対象車はトヨタから「天才タマゴ」(なんのこっちゃ)のキャッチコピーで売り出された初代エスティマ。自分の家でもはるか昔に乗っていた、当時一世を風靡した人気車種だが今となってはもはや値段が付く車種ではなかった。

依頼主は高齢のご夫婦だったため再度状況を確認。

使用していた息子さんはしばらくは家に住んでおらず車は放置したままとのこと。

邪魔なので処分したいという依頼主に車検証を見てもらいながら説明。

大手ローン会社の所有権(所有者欄にローン会社名)がついているのでまずは所有権解除をしないと処分出来ない旨を伝え私が代行するという事を了承してもらい会社へ戻る。

その時は購入から10年数年経過していたためローンは残っておらず手続きも簡単だろうと思いながらローン会社へ所有権解除依頼の申し込みFAXを入れる。

しばらくして私あてに電話が入る。

○○社「オートローンでお世話になっております、○○社です。今回のXX様の所有権解除手続きに関してなのですが、部署が変わりますのでこの後担当から改めてお電話させていただきます」

私「わかりました。お電話お待ちしております。」

とは言ったもののなぜ担当から直接電話が来ないのだろう?と思っているとすぐに電話が入る。

「XXさん(エスティマの使用者)の車の件ですけど」

普段連絡をしてくるローン会社のスタッフとは明らかに違いまったく営業っぽくない声色に

私「はい、担当の者です」

と応えるも違和感がすごい。しかもすぐに

「XXさんと会いましたか?」

と聞かれ

私「いえ、ご家族の方からご依頼をいただいて手続きをしています。○○社(大手ローン会社名)の方ですよね?」

「○○社(大手ローン会社)から業務委託されている△△(よくわからない会社名でもう忘れた)という者です。XXさんと連絡が取れませんで困っているんですがどうにかお会いすることは出来ませんかねぇ。」

私「あの、話が理解出来ないんですけど業務委託とはどういう事ですか?なぜ○○社さんから直接連絡が来ないのでしょうか?」

「あ~、○○社さんからこの件はうちが任されたんでずっと連絡取りたいと思ってたんですよ。」

私「いや、どういうことですか?所有権解除手続きはどうなるんですか?」

「それは無理ですね。ローン払ってないから。だからうちが担当してるんですよ。」

私「え・・・・」

私「つまりそういうことですか?」

「そういうこと」

この時点でこれ以上深入りしたくない私は

私「そうですか。では諦めます。それでは失礼します。」

と電話を切ろうとする。しかし直後に

「あ、XXさん本当に会えてない?」

私「会えてません。それでは失礼します。」

これで謎の業者さんとの電話は終了。

続けて依頼主に報告の電話

私「○○社さんで所有権解除手続きは条件を満たしていないので難しいと言われました。」

依頼主「そうですか。わかりました。」

とあっさり理解してくれたところをみると依頼主も事情を知っていたのではないだろうか。

通常ローンを滞納し続けると対象の車が持って行かれるなんて話は聞いたことがあった。しかしこんな特殊な担当が請け負うこともあるのかと驚かされたお話。

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