危険な販売店

査定車両:ジムニー(JA11)

2013年春

今回の依頼主は若い男性の方で自身で買取店を回って売り先を探しているとのことだった。

当時JB23型が大人気だったジムニーだが、それよりも古いJA11型は流通台数が少なく希少であった為高額で売れる車種であった。さらに定番のリフトアップとタイヤホイールチェンジ&バンパー加工とジムニー愛好家に刺さる仕上がり。数年前に県外から探して買ったということで東北特有のサビも少なく状態も良いことから私の会社の査定額はかなり良い条件を提示していた。

査定から約1週間後、依頼主が当方の条件で買取してほしいと連絡してきたのでお店に来てもらって契約をする運びとなったのだが、契約当日、依頼主から意味不明な話をされる。

依頼主「□□っていうお店で査定を受けたとき色々なところをチェックしたいから写真を撮りたいと言われて承諾したんですけど昨日GOOネットでそのお店のページ見たら在庫に僕の車が登録されてるんです。」

私「へ?」

依頼主「まだ売ってないのにそんなことってあるんですか?」

私「いや、無いと思います。」

と言いつつ□□という店名に嫌な予感を感じる。□□は県内でも有数の香ばしい噂の絶えない販売店の名前と一緒だったからだ。

早速PCで当該車両を探すと教えられた販売店の在庫としてネットに掲載されていた。所在地や店頭画像を見ても間違いない、例の香ばしいお店だ。車は詳細・色・カスタム内容なども全く同じジムニー。それもかなり高い価格で値付けされている。

とりあえず一連の流れを会社に報告。

会社の指示としてはトラブルを避けるためこの□□の在庫になっているうちは買取を保留という判断だった。

私は商談の席に戻り依頼主に告げる。

私「今□□さんの在庫となっているように見えてしまうので申し訳ございませんが弊社で買取は出来ません。ちなみに査定の時に車検証は渡していませんか?」

依頼主「渡してません。今車の中にあります」

私「それは良かった。でもなかなか強引な手法ですね。なぜこのお店に行ったんですか?」

依頼主「知り合いがジムニー得意だって紹介してくれて。僕はどうすれば良いんですか?」

私「車も車検証も依頼主様のもとに有るのでまずは安心しました。後は□□さんの在庫から無くなれば依頼主様のお話どおり契約していないと判断出来るので買取は可能ですよ。さしあたり□□さんに連絡して諸々確認してもらえますか?」

依頼主「わかりました。明日休みなのでお店まで行って抗議してきます!」

私「話が通じないと思ったら無理せずまた相談してください」

とこの日は一旦終了。

翌日夕方、依頼主から連絡があり

依頼主「どういうことか聞いたんですけど□□の店長さんからは勘違いしてたと言われました。ネット掲載は取り消すとも言っていましたけどなんとか売ってくれないかとかなりしつこかったです。断りましたけど!」

勘違いとは?・・・

なんにせよ話がこじれなくて良かったと思いつつ

私「では在庫掲載取り消しの確認が取れ次第買取に進みましょうか」

依頼主「それでお願いします」

その後は何事も無く無事買取となった。

これはかなりレアケースではあるが、常識やモラルを平気で無視する業者も間違いなく存在する。世知辛い話ではあるが相手を疑うことも忘れないで欲しいというお話。

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